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ステンドグラスブログ
ガーベラのステンドグラス作品に新しい技法を取り入れてみました
2021/06/29
こんにちは、埼玉県さいたま市のステンドグラス工房「YUKO TERASHIMA ART & DESIGN」の代表 寺島裕子です。
ガーベラのステンドグラス作品に新しい技法を取り入れてみました
吹きガラスの手法で作る“ケイン”を使って
ステンドグラスの面白さの一つに新しい制作技法を取り入れることで表現が多彩になるということがあります。
特に近年は制作用の色ガラスの種類も減り、使えるガラスの種類が限られています。
一方、電気炉でガラスを溶かして制作する“フュージング”のような新しい技法も盛んになってきました。
世界では、従来までの色のガラスや絵付けによる表現に頼るだけでなく、新しい技法を取り入れた作品も多く作られています。
今回、アトリエ西側の窓に入れたステンドグラス作品の「ガーベラ」では中心部に吹きガラス作家の方が制作した棒状のガラス“ケイン”を使うことで、花の持つ繊細さや色の多彩さを表現することができました。
中浦和の「ガラス工房 ゆばな」
実は数ヶ月前に吹きガラス工房のゆばなさんでオリジナルのロンデルを制作してきました。
「ガラス工房 ゆばな」さんは中浦和にある吹きガラス工房。
主催の渡辺さんが作る作品は繊細で優しく美しい、ご本人の人柄が形になったような素敵な作品です。
年に数回の展覧会以外にも普段は体験教室なども行われていますよ。
ゆばなさんの詳しい情報は公式HP(https://www.yubana-glass.com)からご覧いただけます。
棒状のガラス“ケイン”に出会いました
そこでゆばなさんオリジナルの“ケイン”を発見!
とても面白い素材なので少し分けていただきました。
“ケイン”とは色のガラスを細く棒状に引き伸ばしたもので、こちらを使って吹きガラスの作品を作られています。
“ケイン”自体も熟練の技がないと作れないようです。
色とりどりのケイン、見ているだけでも素敵ですよね!
実はこれ、中身はクリア(透明)で外側にだけ色が付いていたり、中心に鉛筆の芯のように色が付いていたりするんです!
構造としては金太郎飴のようになっているんですね。
これを5mm幅程度にカットし、セラミックファイバーボード という電気炉で使用できるシートで型を作り、焼き固めました。
出来上がったピースを花の中心にし、花弁の複雑なイメージを再現してみました。
そして完成したのがこちらのパネル。
ステンドグラスの表現が拡がります
このような面白い素材があるからこそできる表現、吹きガラスの技術とステンドグラスのコラボレーション、新しい技術を取り入れることはステンドグラスの表現の幅を広げてくれます。
ステンドグラスは既成の色ガラスの板を切る、絵付けをする、というイメージが強いと思いますが、様々な可能性があるんですね。
これからも色々なことに挑戦してステンドグラスの可能性を追求していきたいと思います!!
ステンドグラス制作のご依頼Yuko Terashima Art & Designとは
グラフィックデザイナーとして活躍した経験を活かし、
動物や植物、食べ物などのステンドグラス作品を作っています。